今川日誌

ツバメ、空を飛ぶ

ツバメの若いカップルが、新しい「巣」を作るために、人家の軒先など場所を探し回っている。

新緑、全世界を悩ませている禍がなければ心はずむ季節である。大きく深く呼吸してみる。青空の下、子どもたちを産み育てるために場所確保の確認をしているのか、チィチィとけっこううるさく鳥たちが鳴いている。

その昔、我が家の玄関口にもいくつか巣が作られていて、始終ツバメが出入りしていた。カラスからヒナを守らなくてはならない。ちょうどいいのが、人家の軒先。そのため住人は、鳥のために早起きを強いられた。玄関を開けてツバメがエサ運びに動き出すのを助けなくてはならない。これが毎朝けっこうたいへんなのだ。鳥専用の小さな出入り口を作ってある家もあった。

けれど何かと面倒が多く、時代の流れも手伝って軒先を貸すのをやめた。

小さなヒナが巣立っていく度に、感動というお土産を置いていった。あっという間にヒナは大きくなる。ヒナは毎日元気で鳴き、エサを欲しがる。親鳥はヒナの欲求を満たすために一生を捧げているようなものだ。幾つ卵を産んだか、親鳥のいない間に鏡で覗いたこともあった。巣立ったあとの静けさが寂しかった。春から初夏までツバメは二度巣作りをする。一度目の巣は使わない。いつも新しい巣をこしらえていた。

今日は暖かく晴れている。無事どこかで巣が作れますように、、、。

2020年04月30日